・数年後
・日本で無い、南国のような場所
・澄み渡る青空の下
・祭壇の上でウェディングドレスを着て、頬を赤らめ潤んだ瞳で微笑む譲と、真っ白なタキシードを着て微笑む薫が向かい合っている
・ウェディングドレスは薫が獄中にデザインしたものと同じだ
・薫が譲の左手を取る。譲の手は働いている時に出来た火傷や細かい切り傷が古いものから新しいものまで沢山あり、経った年月の長さを物語っていた
・またかつて薫が発信機としてはめた指輪も、表面に無数の細かい傷がついていた
・その発信機を外し、薫は譲の薬指に新たに結婚指輪をはめなおした
・直後熱く抱擁を交わし、2人はキスをした
客「おおおおおおお!!」
・拍手喝采が式場を包んだ
・結婚式に招かれた大勢の客は何故か共通して一冊の本を持っている
・通常のカメラマンだけでなく、数台の中継カメラまで設置され、2人を写していた
・客の顔ぶれは人種様々で、しかも親しげな同性の連れ同士が多い
・単に2人を祝福するというより、熱狂的に支持しているといった感じだ
麗「やっぱ紫川さんはカリスマだわ・・・。獄中で同性愛について書いた本が世界中で売れて、その功績で出所しちまうし」
・前方には非常に感慨深いと言った様子で2人を祝福する麗の姿があった
料理長「海外に飛んで本当に譲くんと結婚しちゃうしねー」
・以前より増して貫禄のある料理長が麗のすぐ横に居た
・両隣には女子高生の娘と細君も居る
・相変わらずおおらかそうな顔つきだが、2人を心から祝福し、またどちらかというと安堵したような表情を浮かべていた
親父「ウッウッウ・・よかったな譲!!」
・感涙してハンカチで鼻をかむなんちゃっ亭の親父
・そして他にもかつての抗争を生き延びた従業員達が2人を心から祝福していた
薫「俺は約束は守る男だからな」
・客人からの祝福を受けながら薫は譲を抱き寄せながら言った
譲「あの写真台のおかげじゃないかな」
・照れながら憎まれ口を叩く譲
薫「さてと、花嫁のガーターベルトを口で外すのも決めているんだ」
譲「それはいい!!」
・本当にやりそうな薫に、真っ赤になって腕で突っぱねて焦りだす譲
カメラマン「はーい、撮りますよ〜」
・かつての従業員や親父達と並んで記念撮影をする譲、薫
カメラマン「1、2の3p〜」
・カシャッとカメラのシャッターがきられた
・出来上がった写真に写る彼らの仲睦まじい姿は、正に、それだった。
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家族になりたい 完